【小ネタ】新インド神の「ドゥルガー」ってどんな神様なの？

パールバティとドルガーとカーリー（いきなりインドに飛びます）
パールバティはシヴァの神妃で有名です。また最初はサティという名で転生を繰り返しずっとシヴァの元にいるのですが、おとなしい性格で戦い向きではないようです。
そして最初の顛末はわからないのですが戦うときはドルガーという戦神になります。

このドルガーは１８の腕を持ちそれぞれに武器を持つ恐ろしい女神（像があります）で無敵でした。
しかもその怒りから額から新戦神の女神カーリーを誕生させたわけです。
カーリーは戦いが終わるとドルガーに戻っていたようですが。
後に単独の神として崇拝されるようになります。
（ドルガーに輪をかけて残忍と言われます。アスラ族何人か倒した際に、勝利のダンスを大地が壊れるほどの力で踊り仕方なくシヴァがカーリーの下敷きになりカーリーが気がつくのを待っていたと言う逸話があります。）

そこで、質問です
①パールバティは最低４度転生していますがドルガーとしては転生していません。
多分違う女神をくっつけたと思うのですが（それともおとなしい女神の別面なのか）また別神であれば出所はどこか。

②カーリーが独立してベンガルの守護神になる経過は大体わかりますが、彼女はシヴァの后の一人になっていたのか。
またカルカッタはカーリーの沐浴場と言われているようですが、これは本当か

です。いつものマイルールでインターネットは調査済みですからご自分のご意見と文献の説明・（紹介は可）でお願いします。

シヴァの神妃については、それぞれが別個の神であると考えた方が良いです。
ヒンドゥー教は各地の神を受け入れることで広まった宗教のため、豊穣神(風神/雨神)であるシヴァはそれだけ多くの女神を娶る必要がありました。
印欧語族において雨は天候神(天父)の精液と考えられ、それが母なる大地を孕ませ(豊かにし)ます。
よって大地の女神は皆シヴァの妻になります。
そして彼女達に妻としての順位がつかないように全員が一柱の神の別相とされたようです。
ドゥルガー、カーリー、パールヴァティーの関連性については神話があまりにも多すぎるので割愛します(矛盾が多すぎる)が、別個の女神として扱います。

カルカッタはカーリーの沐浴場というのは本当っぽいです。
というか、そういうことになっている地域です。
日本の将門の首塚と同じようなものです。

ドゥルガーはこの中では最も単純な女神に思われます。
イナンナと同様、戦争女神であり、横たわる場所としての大地の性質を併せ持ちます。

パールヴァティーはサティーの転生としての役目が強く、また神話や叙事詩で(姿を変えた)シヴァと共に現れるのは常に彼女です。 慈悲深い母としての大地であり、多くの子供(神)を生みます。
ブラフマーとサラスヴァティー、ヴィシュヌとラクシュミー(化身は除く)には子供は生まれず、シヴァ夫婦、それもパールヴァティーとの間にのみ子神は生じるのです(地方にいくと例外あり)。

カーリーは本来的な意味でのアスラと思われます。
アスラは抽象概念の神であり、北欧のヴァン神族と共通性がみられる豊穣神集団です。
彼女は時の女神であり、またブラフマーに作られたムリトゥ(死・エジプトのハトホルと同様、人を滅ぼす女神だが人を殺すのを嫌がる女神でもある)女神でもあります。
時は肉(贅肉)を奪い、血を吸い(肌を乾かせ)、命を奪います。
髑髏を集める姿は帰る場所としての大地でしょう。
シヴァの神妃となった経緯としてはムリトゥを作ったのはブラフマーとシヴァであるからといった説もありますが、一番はシヴァによる周辺地域の大地女神の吸収でしょう。